民法改正(相続法改正)

改正民法が平成30年7月に国会を通りました(法律第72号・73号)平成30年11月。

 段階的に施行されていますので「法務省民事局」・「不動産法律セミナー2019年9月号より改正民法(相続法改正)」を参考にさせて頂きました。

民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律
法務局における遺言書の保管等に関する法律

 

民法・遺言に関する法律
施 行 日・要約 項    目
令和2(2020)年4月1日
配偶者居住権「短期居住権」
第1 配偶者の居住権を保護するための方策
1 配偶者「短期居住権」の新設:新民法1037条~1041条関係
 配偶者が相続開始の時に遺産に属する建物に無償で居住していた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用できるようにする。
 遺産分割が確定した日又は相続開始の時から6か月間、今まで住んでいた建物に無償で住める。新民法1037条

1.成立:相続開始時に無償居住
2.存続期間:遺産分割まで、遺贈・相続放棄の場合、請求後6か月
3.登記:できない、対抗力ない
4.使用収益:増改築に承諾不要
5.消滅:配偶者死亡、
6か月経過、遺産分割終了
令和2年(2020年)4月1日
配偶者居住権「長期居住権」
2 配偶者居住権の新設(長期居住権):新民法1028条~1036条関係
 配偶者の居住建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用を認める法定の権利を創設し、遺産分割等における選択肢のーつとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようにする。
 配偶者居住権は対抗要件として登記が必要。新民法第1031条、不登法第81条の2

1.成立:遺産分割、遺贈等による
2.存続期間:終身、期間制限可能
3.登記:できる、対抗力あり
4.使用収益:増改築にも承諾必要
5.消滅:配偶者死亡、期間満了
令和元年(2019年)7月1日
持戻し免除
第2 遺産分割等に関する見直し
1 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規定):新民法903条4項関係
 婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産の遺贈又は贈与がされたときは、持戻しの免除の意思表示があったものと推定し、被相続人の意思を尊重した遺産分割ができるようにする。
令和元年(2019年)7月1日
預貯金の前払い
2 遺産分割前の払戻し制度の創設等:新民法909条の2関係
・相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう、遺産分割前にも払戻しが受けられる制度を創設する。
・払戻金額:一人当たり 預貯金の額の3分の1

 一金融機関当たり150万円(法務省令)・相続開始が施行日前であっても、改正法909条の2の規定による遺産分割前の預貯金債権への行使が施行日後になされた場合には改正法が適用されます(附則5条)。
令和元年(2019年)7月1日
遺産分割前の払出しの組戻し
3 遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲:新民法906条の2関係
・相続開始後に共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合に、計算上生ずる不公平を是正する方策を設ける。
・共同相続人の一人による遺産処分による「みなし相続財産」について規定。遺産を処分した共同相続人の一人の同意不要を規定。新民法909条の2の2項。
平成31年(2019年)1月13日
遺言書の緩和
第3 遺言制度に関する見直し
自筆証書遺言の方式緩和:新民法968条関係、同条2項
 自筆でない財産目録を添付して自筆証書遺言を作成できるようにする。パソコンで目録作成、銀行の預金通帳のコピー、不動産登記簿謄本(登記事項証明書)のコピーの添付ができる。
令和元年(2019年)7月1日 2 遺言執行者の権限の明確化:新民法1007条、1012条~1016条関係
令和2年(2020年)7月10日
自筆証書遺言の保管
3 公的機関(法務局)における自筆証書遺書の保管制度の創設
・ 遺言書保管法の創設:法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)。家庭裁判所の検認が不要。遺言書の有効・無効をチェックする制度ではない。
令和元年(2019年)7月1日 第4 遺留分制度に関する見直し:新民法1042条-1049条関係 遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行の規律を見直し、遺留分権の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずるものとしつつ、受遺者等の請求により、金銭債務の全部又は一部の支払につき裁判所が期限を許与することができるようにする。
令和元年(2019年)7月1日
対抗要件の登記
第5 相続の効力等に関する見直し:新民法899条の2関係 相続させる旨の遺言等により承継された財産については、登記等の対抗要件なくして第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直し、法定相続分を超える権利の承継については、対抗要件(所有権移転登記)を備えなければ第三者に対抗することができないようにする。
令和元年(2019年)7月1日
特別寄与
第6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
1 親族への特別寄与:新民法1050条関係
 相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭請求をすることができる制度(特別の寄与「二親等内の親族(配偶者、子、孫、兄弟姉妹等)」)を創設する。
2 特別寄与の手続規定:新家事事件手続法216条の2~216条の5関係
 特別の寄与の制度創設に伴い、家庭裁判所における手続規定(管轄等)を設ける。
3 特別寄与の請求権:相続開始を知った時から6箇月間、相続開始の時から1年を経過すると、時効によって消滅する。
情報更新日

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